漫画ｱﾝｻﾝｸﾞｼﾝﾃﾞﾚﾗ11話ﾈﾀﾊﾞﾚ(3巻)と感想!患者の不安と羽倉の葛藤

2020年4月8日2020年5月11日

漫画アンサングシンデレラ単行本3巻に掲載の11話「説得と納得」。

この記事ではそのネタバレと感想、無料で読む方法も紹介していきます。

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漫画アンサングシンデレラ 病院薬剤師葵みどり11話（3巻）「説得と納得」ネタバレ

テレビをつけて髪を束ね、歯を磨こうとするみどり。

そこにインフルエンザが警報レベルで全国的に広がっているニュースが耳に入ります。

一定の期間での新しい患者の増加数で警報レベルとして設定されることになっているのでした。

みどりたち薬剤師もニュースで知ることが多いという話です。

◆

出勤すると、部長の販田がニュースの話に触れ、忙しくなることが予想されるけど頑張ろうとみんなの前で挨拶します。

しかし、薬剤部のみんなは心の中でそれぞれ不安や愚痴をこぼしていたのでした。

◆

薬の順番を待っていた男性が名前を呼ばれて待ちくたびれたという調子でやってきます。

マスクをずらし口元を出すと、男性は予防接種をしているのにインフルエンザにかかったことにお金の無駄遣いだと不満をこぼします。

羽倉はマスクがずれているのを気にしながら、予防接種が完璧な予防をできるものではないこと、しかし重症を防ぐ効果を期待できることを淡々と話します。

そのうえで、手洗いやマスクをすることも大切だと説明するのでした。

男性もそれを聞いてすぐにマスクを掛け直します。

男性が去った後も、目の前にはインフルエンザでやってきた人が大勢待って座っていました。

◆

お昼の休憩になり、みどりが休憩部屋に入ると、すでにお昼休憩に入っていた仲間がどんよりと疲れ見せて座っていました。

調子を聞くみどり。

羽倉は人の入りがいつもの倍だと言います。

くるみも薬をいくら用意しても間に合わないことからげっそりと下を向いてしまっていました。

みどりが午後から助けに入れると聞いて顔に輝きを取り戻すくるみ。

萬津病院では効率化の観点からタミフル処方にしていたのでした。

羽倉は窓口だからさばき切れるわけないと言い切ると、世間がインフルで騒ぎすぎていることに感じていた不満を話します。

インフル特有の症状がないのなら、風邪の可能性も高いから家で療養していたほうがマシだと言い、病院に来るのはウイルスをもらいにくるようなものだと、騒いでいる人たちを一蹴します。

そのまま文句を言い続ける羽倉に、みどりは普段と違う羽倉に大変が伝わってくると声をかけるのでした。

みどりの同情で気を落ち着かせた羽倉は、言いたいことはニュースも報道の仕方に気を配ればもっと違った結果になっていたはずだと改めて気持ちを吐露します。

そしてタミフルの新聞沙汰からイメージが悪くなったことにも言及します。

みどりは薬の需要の多さからも、来年以降もインフル騒ぎで振り回されるだろうと気楽に構えるのでした。

しかし瀬野は患者が振り回されることを仕方ないと言います。

誰もが感染に不安になり、インフルになれば自己管理不足だとレッテルを貼られる風潮もあると。
そうしたなかで来院した人が納得して安心して帰ってもらうようにするのが一番大事だと話します。

うつむく羽倉。

休憩から帰ると、剣持が指示を出します。
彼は急いで休憩を取るからと言ってその場を離れます。

窓口で対応していた羽倉は、次が高齢の女性であることを確認して名前を呼びます。

その女性本人が立つのも辛いからと、娘が代わりにやってきます。

タミフルの処方であることを伝えると、その娘はタミフルは心配だし、自分は以前吸入がよく効いたらそれにできないのかと聞きます。

羽倉は高齢の女性が咳をしてつらそうなのもあり、吸入をするのは難しいことを告げると、娘はタミフルの危険性を叫び、ネットで調べたのだと言ってその画面を見せます。

羽倉は薬剤師でなくネットの情報を信じようとするその娘に疑問を感じていると、娘も安全な薬を出してくれと訴えだすのでした。

そこでみどりが横から話に加わり、娘の母が咳をして辛そうだと心配します。

娘も落ち着きを取り戻すと、みどりは吸入が難しいことを説明し、食事や水分摂取ができているか確認します。

あまりできていないという答えだったので、みどりは点滴の提案をします。
時間がかかることも伝えますが、娘は時間は大丈夫だと言って期待の表情を浮かべるのでした。

娘が母のいる席に戻っていくと、みどりは彼女たちにインフルの異常行動などを説明しにいくと言います。

羽倉には医師に事情を話して点滴の提案をするよう伝えます。

羽倉は患者の不満に対応していたらキリがないとこぼします。

みどりはそれに同意すると、それ以上に患者が納得していないことが一番良くないと続けます。

小児科での経験も話すみどり。
そこでも話をしているうちに納得してもらえることが多いと。

そして説得より納得だと、羽倉の背を叩きながら瀬野の口調を真似して言うのでした。

医師に点滴の提案が通り、羽倉は電話を切ると、みどりが子供にタミフルを飲ませる工夫を説明しているところが聞こえます。

羽倉はさきほどの高齢の患者と娘の前に行き、点滴となったことを伝えて案内します。

その途中、娘は自分たちが予防接種を受けたことを話します。
せっかく苦労して受けたのにかかってしまったと。

羽倉は予防接種が完璧なものではないことを話しますが、高齢の女性が咳き込むところを見て少しうつむいたようになります。

自分たちも予防接種をして感染しないように消毒も徹底しているものの、それでもかかってしまうことがあるのだと話します。
それは本人の責任ではなく、どうしようもないものだとも伝えるのでした。

不安げな表情になる娘でしたが、予防接種で重症化を防げた可能性もあるため、良い選択をしたと思うことを告げます。

点滴の準備を終え、離れる際に改めて説明をすると、娘からお礼を言われます。

羽倉も頭を下げ、声をかけてその場を離れます。

◆

一日が終わり、みどりが疲れ切って戻ると、羽倉はパソコンでなにかを作っていました。

部長に提案するつもりだというため、見てみると、インフルについての知識や対応について書かれたチラシでした。

みどりはチラシの内容を見て賞賛すると、他の薬剤部の人達にもみせてあげます。

イラストを加えてあげようかとみどりは提案しますが、過去のみどりのイラストを知っていた羽倉は大丈夫と言ってやんわり断ります。

羽倉は思いつめた様子を見せると、みどりに点滴の提案の件についてお礼を言うのでした。

みどりはそれに返事をする最中、悪寒を感じます。

体の痛みもあるというと、羽倉とくるみは一気に距離を取り始めます。

瀬野がその報告を受けると、忙しい時期に熱を出したみどりに激怒します。

みどりはしばらく寝て過ごすことになるのでした。

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感想

羽倉の気持ちも分かりますが、患者が不安を訴える気持ちも分かり、読んでいて葛藤を感じてしまいます。

説得より納得だというのはなるほどなと感じました。

11話を読んでいて頭をよぎったのはＤ・カーネギーの「人を動かす」でした。

この著書の中身は説得の方法と書かれていますが、悪い意味での説得ではなく、今回のアンサングシンデレラで言う納得のほうに近い内容が書かれていたと思います。

どちらかというと羽倉は論理派なので、人が論理ではなく感情で動くことを彼を通して改めて自分も思い知らされた気分でした。

みどりが初めて高齢の女性と娘に話しかけたとき、まずは気持ちに寄り添おうとするうまい話し方をするなと感じました。
みどりはそのあたりのコツをどこかで（小児科？）習得していたのかもしれませんね。